気温が高くなる季節、特に注意が必要なのが熱中症です。熱中症は体内の水分と電解質(ナトリウムなど)のバランスが崩れることで発症します。本記事では、熱中症予防に適した飲み物や、温泉水の役割、実際に熱中症になった際の正しい対処法について、科学的な根拠に基づいて解説します。
目次
1. 熱中症対策には「水分」と「電解質」の両方が必要
水だけでは不十分な理由
熱中症の主な原因は、発汗によって体内の水分と一緒にナトリウムやカリウムなどの電解質が失われることです。水だけを大量に飲むと、血液中のナトリウム濃度が薄まってしまい、体のバランスを崩す「低ナトリウム血症」を引き起こす可能性もあります。
そのため、熱中症対策としては「水分+電解質(塩分)」を同時に補給できる飲み物が推奨されます。
2. 熱中症予防に適した飲料
スポーツドリンク(アイソトニック飲料)
一般的なスポーツドリンク(例:ポカリスエット、アクエリアスなど)は、糖分とナトリウムを含み、汗で失われた電解質を効率よく補給できます。日常的な予防や軽度の脱水状態には効果的です。
麦茶
麦茶はカフェインを含まず、体を冷やす効果もあるため、日常の水分補給として適しています。ただし、ナトリウムなどの電解質は含まれていないため、発汗量が多い場面では塩分を補う工夫が必要です。
温泉水(ミネラルウォーター)
温泉水にはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル(=電解質)が自然に含まれており、熱中症予防の一環として日常的な水分補給に適しています。特に、硬度が中程度〜高めの温泉水は、失われやすいミネラルの補給源として有効です。
ただし、ナトリウム濃度はスポーツドリンクほど高くないため、「熱中症予防の補助」として考えるのがよいでしょう。

温泉水99 500ml(30本入)×1箱
3. 実際に熱中症になったときに適した飲料
経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)
熱中症の症状(軽度の脱力感、吐き気、めまいなど)が出た場合は、「経口補水液(例:OS-1、アクアソリタなど)」が最も適しています。経口補水液は、世界保健機関(WHO)の基準に基づいた電解質と糖のバランスで作られており、水分とナトリウムを効率的に体内へ吸収させることができます。
経口補水液は、医療現場でも脱水対策として使用されており、熱中症対処における信頼性の高い選択肢です。

大塚製薬工場 経口補水液 オーエスワン 500mlx24本
スポーツドリンクとの違い
経口補水液はスポーツドリンクよりもナトリウム濃度が高く、糖分が少なめに設計されています。軽度の熱中症ではスポーツドリンクでも一定の効果はありますが、体調が悪化している場合や明らかな脱水症状がある場合は、経口補水液が推奨されます。
4. 熱中症対策として温泉水を取り入れるメリット
毎日のミネラル習慣として
温泉水は自然由来のミネラルを含んでいるため、日常的なミネラル補給に最適です。特に、汗をかく季節は失われるミネラルの補給を意識することが重要です。ナトリウムだけでなく、マグネシウムやカルシウムといった成分も同時に摂取できる点がメリットです。
カフェイン・糖分を含まない水分補給
温泉水はカフェインや糖分を含まないため、血糖値を気にする方や夜間の水分補給にも適しています。暑さで食欲が落ちたときでも、体に負担なく飲める点も魅力です。
5. まとめ
熱中症を予防・対処するには、「水分」と「電解質」の両方をバランスよく補給することが大切です。日常の予防にはスポーツドリンクや温泉水、麦茶を上手に組み合わせてこまめな水分補給を心がけましょう。
万が一熱中症の症状が出た場合には、経口補水液などで速やかに対応し、回復が見られない場合は医療機関を受診しましょう。